キャットフードを選ぶ際に、「AAFCO基準」「FEDIAF基準」などの表記を見たことはありませんか? これらは猫の健康を支えるための栄養基準であり、世界各国で異なる規格が存在します。
日本でもペットフード安全法が定められていますが、AAFCOやFEDIAFとはどのような違いがあるのでしょうか?
本記事では、アメリカのAAFCO、ヨーロッパのFEDIAF、日本のキャットフード栄養基準の違いを詳しく比較し、愛猫に最適なフードの選び方について解説します。
適切な栄養バランスのフードを選び、大切な愛猫の健康を守るための知識を身につけましょう。
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AAFCO、FEDIAF、日本の基準の違いを知るメリット
キャットフードの栄養基準は国や地域によって異なり、それぞれが猫の健康維持に必要な栄養バランスを定めています。アメリカのAAFCOは科学的なデータを基に基準を策定し、ペットフード業界で広く採用されています。
一方、ヨーロッパのFEDIAFはEU圏内の法律や研究を反映し、安全性や持続可能性にも重点を置いています。日本ではペットフード安全法が存在しますが、AAFCOやFEDIAFの基準を参考にするケースが多いです。
これらの違いを理解することで、より質の高いフードを選べるようになり、愛猫の健康維持やライフステージに合った最適な食事を提供することができます。
AAFCOのキャットフード栄養基準とは?
AAFCO(米国飼料検査官協会)の概要
AAFCOは、米国の飼料規制当局者によって構成される組織で、ペットフードや家畜飼料の栄養基準やラベル表示のガイドラインを策定しています。
法的な規制権限は持ちませんが、AAFCOの基準は米国のペットフード業界で広く採用されており、多くのメーカーが準拠しています。
特に、猫の健康維持に必要な栄養素を定めた「AAFCO栄養プロファイル」や、実際の給与試験に基づく基準が特徴です。
これにより、AAFCOの基準を満たすフードは、猫に必要な栄養バランスが確保されていると考えられています。
栄養素 | 子猫・妊娠・授乳期の基準 (%または mg/kg) |
成猫(維持期)の基準 (%または mg/kg) |
---|---|---|
たんぱく質 | 30%以上 | 26%以上 |
脂質(脂肪) | 9%以上 | 9%以上 |
カルシウム | 1.0~1.6% | 0.6~2.5% |
リン | 0.8~1.6% | 0.5~1.6% |
マグネシウム | 0.08%以上 | 0.04%以上 |
タウリン | 0.20%以上 | 0.10%以上 |
ビタミンA | 9,000 IU/kg 以上 | 5,000 IU/kg 以上 |
ビタミンD | 750 IU/kg 以上 | 500 IU/kg 以上 |
ビタミンE | 30 IU/kg 以上 | 30 IU/kg 以上 |
アルギニン | 1.25%以上 | 1.04%以上 |
リノール酸(オメガ6) | 0.6%以上 | 0.5%以上 |
DHA(子猫のみ) | 0.05%以上 | — |
AAFCOの栄養基準の特徴
1.最低限必要な栄養素を規定
成猫(維持期)と子猫・妊娠・授乳期の2つのライフステージごとに、必須栄養素の最低基準を設定。
2.2つの適合基準
- 栄養プロファイル適合:成分分析で基準を満たすことを確認。
- 給与試験適合:実際の猫の給与試験をクリアしたフード。
エネルギー密度に応じた栄養バランス
- フードのカロリー密度に合わせ、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルの量を調整。
法的拘束力はないが業界標準
- AAFCO自体に規制権限はないが、多くの米国州法がAAFCO基準を採用し、業界標準として機能。
FEDIAFのキャットフード栄養基準とは?
FEDIAF(欧州ペットフード工業連盟)の概要
FEDIAF(European Pet Food Industry Federation)は、ヨーロッパのペットフード業界を代表する団体で、EUの規制や最新の栄養学研究を基にペットフードのガイドラインを策定しています。
AAFCOと同様に法的拘束力はありませんが、欧州のペットフードメーカーはFEDIAFの基準を遵守することが一般的です。
FEDIAFの栄養基準は、欧州の獣医栄養学者と協力して作成され、ライフステージごとの必要栄養素を定めています。また、EUの食品安全規制(EFSA)とも連携し、安全性や持続可能性にも配慮した基準を提供しているのが特徴です。
栄養素 | 成長期・妊娠/授乳中の猫 | 成猫(維持期) |
---|---|---|
粗たんぱく質 | 最低 28.0% | 最低 25.0% |
粗脂肪 | 最低 9.0% | 最低 9.0% |
カルシウム(Ca) | 0.90〜1.60% | 0.50〜2.50% |
リン(P) | 0.80〜1.60% | 0.40〜1.60% |
カルシウム:リン比率 | 1.0〜1.5:1 | 1.0〜1.5:1 |
マグネシウム | 最低 0.04% | 最低 0.04% |
カリウム | 最低 0.60% | 最低 0.60% |
ナトリウム | 最低 0.20% | 最低 0.20% |
クロライド | 最低 0.30% | 最低 0.30% |
タウリン | 最低 0.20% | 最低 0.10% |
ビタミンA(IU/kg) | 5,000〜75,000 | 5,000〜75,000 |
ビタミンD(IU/kg) | 500〜2,000 | 500〜2,000 |
ビタミンE(mg/kg) | 最低 10.0 | 最低 10.0 |
ビタミンB1(チアミン) | 最低 5.0 mg/kg | 最低 5.0 mg/kg |
アルギニン | 最低 1.20% | 最低 1.04% |
リノール酸(オメガ6) | 最低 0.60% | 最低 0.50% |
DHA/EPA(オメガ3) | 0.05%以上(子猫のみ推奨) | 記載なし |
FEDIAFの栄養基準の特徴
科学的根拠に基づいた基準
- 欧州の獣医栄養学者や専門家と協力し、最新の研究を反映した栄養基準を策定。
- 欧州食品安全機関(EFSA)のガイドラインとも連携。
ライフステージごとの栄養基準を設定
- 成猫(維持期)と子猫・妊娠・授乳期で異なる栄養要件を定義。
AAFCOよりも詳細な推奨値を提示
- 最低必要量(minimum)だけでなく、過剰摂取のリスクを考慮した最大許容量(maximum)も設定。
EUの食品安全規制と整合性がある
- ペットフードの安全性や衛生管理に関するEUの法律と適合し、品質管理や添加物の使用基準も厳格。
持続可能性や環境への配慮
環境負荷を考慮し、原材料の持続可能性や動物福祉にも重点を置いている。
FEDIAF基準は、AAFCOに比べてより厳密かつ包括的なアプローチを取っており、特に欧州で販売されるキャットフードの品質向上に貢献しています。
AAFCOとの違い
AAFCOとFEDIAFはどちらもキャットフードの栄養基準を定めていますが、いくつかの重要な違いがあります。
AAFCOは米国基準であり、栄養プロファイルや給与試験を用いた基準設定を行っています。一方、FEDIAFは欧州の基準で、AAFCOよりも詳細に栄養素の最大許容量を設定し、過剰摂取によるリスクも考慮しています。
また、FEDIAFは**欧州食品安全機関(EFSA)**の規制と連携し、環境負荷や持続可能性にも重点を置いているのが特徴です。
AAFCOは主に米国内のペットフード業界に影響を与えますが、FEDIAFはEU圏内の規制を考慮した、より包括的な基準を採用しています。
日本のキャットフード栄養基準とは?
日本におけるキャットフードの規制・基準(農林水産省・ペットフード安全法)
日本では、キャットフードの安全性を確保するために**「ペットフード安全法」が2009年に施行され、農林水産省と環境省が管轄しています。
この法律では、ペットフードの成分規格や製造基準、有害物質の規制、表示義務**などが定められており、安全性の確保を目的としています。
しかし、日本独自の栄養基準はなく、AAFCOやFEDIAFの基準を参考にしているメーカーが多いのが現状です。
輸入フードに関しても、日本の基準を満たしていれば販売が可能です。消費者はAAFCOやFEDIAFの基準を確認しながら、愛猫に適したフードを選ぶことが重要です。
日本の基準の特徴とAAFCO/FEDIAFとの関係
日本にはAAFCOやFEDIAFのような独自の栄養基準はなく、キャットフードの栄養バランスを直接規定する法律はありません。
主に「ペットフード安全法」により安全性や表示の規制が行われていますが、栄養基準については明確な基準がなく、多くの国内メーカーがAAFCOやFEDIAFの基準を参考に製品を開発しています。
特にAAFCO基準は日本のキャットフード市場で広く採用されており、「AAFCO基準適合」と表示される製品が多いです。
一方で、FEDIAFの基準を採用するメーカーは欧州向け製品に多く、AAFCOよりも厳格な上限値を考慮する場合もあります。
どの基準を満たしたキャットフードを選ぶべきか?
今ではほんとに多くのフードが基準を満たしていると思います。ただ、市販の安いフードはそうでもないものが多くありますので、注意してください。
当サイトはプレミアムフードを紹介しています。
日本で入手可能なAAFCO・FEDIAF基準を満たしたフード
モグニャンキャットフード
- 主原料: 白身魚65%
- カロリー: 379kcal / 100g
- 特徴:
ヒューマングレード
グレインフリー
着色料、香料不使用
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)基準 - 公式サイト
- モグニャン紹介記事
カナガンキャットフード
- 主原料: チキン、サーモン75%以上
- カロリー: 405kcal / 100g
- 特徴:
ヒューマングレード
グレインフリー
着色料、香料不使用
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)基準 - 公式サイト
- カナガン紹介記事
グランツキャットフード
- 特徴:
フランス生まれのグレインフリーキャットフード
選べる3種類のレシピ
猫に不要な穀物・着色料不使用 - 公式サイト
- グランツキャットフード紹介記事
ジャガーキャットフード
- 主原料: チキン、サーモン75%以上
- カロリー: 387.5kcal / 100g
- 特徴:
ヒューマングレード
グレインフリー
着色料、香料不使用
欧州ペットフード工業会連合(FEDIAF)基準 - 公式サイト
- ジャガーキャットフード紹介記事
等が日本で市販されているプレミアムフードの代表格といっていいでしょう。
まとめ:キャットフードの栄養基準を理解して最適な選択を
キャットフードの栄養基準にはAAFCO(米国)、FEDIAF(欧州)、日本のペットフード安全法があります。
AAFCOは米国の業界標準となる基準で、多くのフードがこの基準に準拠。一方、FEDIAFはEUの食品安全規制と連携し、より詳細な栄養基準を設定しています。
日本には独自の栄養基準はなく、安全基準が中心。フード選びの際は、これらの違いを理解し、愛猫に合った最適な製品を選ぶことが重要です。
参考文献・参考サイト
当サイトを作成するにあたって参考にした文献やサイト
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